Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2020.02.25

プレスリリース

ガリウムが別元素の性質に変化

超原子と呼ばれる特殊な粒子を作り出すことに成功

東京工業大学 科学技術創成研究院の神戸徹也助教、山元公寿教授らの研究グループは、数原子からなるガリウムの金属クラスターを有機高分子であるデンドリマーを用いて合成し、それが超原子と呼ばれる特殊なクラスターになることを見出した。

ガリウムは融点が約30度と異常に低い金属として有名であり、低融点合金材料や水銀の代替金属として利用されている。こうしたガリウムの性質が1ナノメートル(nm)程度のクラスターにすることで劇的に変化することが分かった。なかでも13個のガリウム原子からなるクラスターはハロゲン[用語5]に似た物理的・化学的性質を有していることが明らかとなった。今回の研究で実証した超原子を合成する手法は材料を構成単位から新たに生み出す手法であり、これまでにない様々な新素材の開拓に繋がるものと期待される。

研究成果は2月21日(ドイツ時間)発行の『Advanced Materials(アドバンスド・マテリアルズ)』オンライン版に掲載された。