Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2020.03.04

プレスリリース

繊細な操作性と術者の負担軽減を両立させた手術支援ロボットのマニピュレータを開発

より微細なスケールの手術支援ロボットへの応用に期待

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の只野耕太郎准教授と工学院 機械系のSolmon Jeong(ソルモン・ジョン)大学院生(博士後期課程2年)は、手術の精度と術者の負担軽減を両立する新たな手術支援ロボットシステムを開発した。

手術支援ロボットは、術者が自分の手元のマスタマニピュレータを動かすことで、患者の体内に挿入されたスレーブマニピュレータを操作するマスタ・スレーブ式が一般的である。マスタ・スレーブ式手術支援ロボットの手元の操作は、親指と人差し指で摘まむピンチグリップ式と、手のひら全体でマスタマニピュレータを握るパワーグリップ式がある。ピンチグリップ式は繊細な作業に適しているが術者への負担が大きく、パワーグリップ式は繊細な作業ではピンチグリップ式に劣るが、術者への負担は小さい。そこで研究グループは、ピンチグリップとパワーグリップを組み合わせることによって、繊細かつ負担の小さいマスタマニピュレータを新たに開発した。

研究成果は2019年12月12日に「The International Journal of Medical Robotics and Computer Assisted Surgery」のオンライン版に掲載された。