Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2019.10.04

プレスリリース

発生過程の胚での最初の遺伝子発現のきっかけを作る重要なヒストン修飾を発見

東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センターの木村宏教授の研究グループ(佐藤優子助教、小田春佳日本学術振興会特別研究員)は、マックスプランク研究所(ドイツ)、ジャネリア・リサーチキャンパス(米国)、ニューヨーク大学(米国)の研究グループとの国際共同研究により、発生過程の生きたゼブラフィッシュ胚において、転写活性化とヒストン修飾の変化を観察することに成功しました。さらに、取得した画像の定量解析により、ヒストンH3の27番目リシン残基のアセチル化修飾が胚ゲノム活性化に重要な役割を果たしていることを明らかにしました。

今回の研究により、生物個体の発生や分化の過程での遺伝子発現の制御には、ヒストンのアセチル化が重要であることが示されました。また、研究チームが開発したタンパク質修飾の生細胞観察手法の有用性が実証され、アセチル化修飾の詳しい仕組みの解明を目指す今後の研究への活用が期待されます。

この成果は9月30日付でDevelopment誌に掲載されました。