Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2018.06.25

プレスリリース

半導体の少数キャリア寿命を正確に測定する手法開発

シリコンパワーデバイスの製造プロセス評価が可能に

東京工業大学 工学院 電気電子系の角嶋邦之准教授と科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の筒井一生教授らは、ストライプ状に形成したpn接合ダイオードの電流-電圧特性を測定することにより、パワーデバイス用シリコンウエハーの少数キャリア寿命を抽出する新しい評価方法を確立した。

少数キャリアはウエハー内部に2次元的に拡散するため、ウエハー裏面に到達しにくくなるが、pn接合ダイオードの測定からストライプの間隔依存性を解析することで、少数キャリアの寿命を得ることができるようになる。この手法では、長寿命のウエハーの評価が可能となる。

この評価方法はプロセス評価のみならず、シリコンパワーデバイス製造ウエハーに同時に作り込むことができるため、実際のデバイスの少数キャリア寿命に近い値が得られる。さらに、量産時のウエハー間の特性変化もモニターすることができるようになる。一方、本手法はシリコンだけでなく、ほかのワイドバンドギャップの半導体デバイスにも応用することができる。

研究成果は米国ハワイで開催される「2018 Symposia on VLSI Technology and Circuits(大規模集積回路シンポジウム)」で、現地時間6月20日に発表された。