Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2023.07.11

プレスリリース

CPU/GPUとメモリをハイブリッド3次元積層

超並列3次元配線によりテラビット伝送を世界最小エネルギーで実現

東京工業大学 科学技術創成研究院 異種機能集積研究ユニットの大場隆之特任教授は、WOWアライアンスとの共同研究により、バンプレスChip-on-Wafer(COW)プロセスおよびWafer-on-Wafer(WOW)プロセスによってCPU/GPUとメモリを3次元実装するハイブリッド3次元実装技術「BBCube 3D」を創出した。

現在、2次元的な配線でのデータ伝送能力の向上が、物理的、消費電力的に困難となる中、さらなる高帯域化を目指した3次元積層半導体の開発が進められている。しかし、従来の3次元積層技術はチップの垂直配線Through Si Via(TSV)同士の接続にマイクロバンプを用いることから垂直配線の高密度化が難しく、また、データ伝送時の消費電力増大の一因となる寄生容量の低減が困難という問題があった。

BBCube 3DのバンプレスCOW、WOWプロセスは、銅(Cu)を配線に用い、埋め込み・研磨によって垂直配線を行うCuダマシンTSV配線を用いることでバンプレス化し、垂直配線の16倍の高密度化、1/20の寄生容量低減を実現できる。さらにCPU/GPUとメモリを16,000本もの信号線で超並列に接続する。BBCube 3Dのデータ伝送はPCサーバ用メモリの13倍、AIなどに使われる高帯域メモリ(HBM2E)の4倍となる高帯域を実現しながら、電力はPCサーバ、高帯域メモリそれぞれに対し1/20、1/5に抑えることができることを世界で初めて明らかにした。

この成果は2023年6月11日~ 6月16日に開催の半導体回路・実装技術に関する国際会議「VLSI Symposium 2023」(主催:IEEE)で発表された。