Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2016.12.06

プレスリリース

微細化によるシリコンパワートランジスタの高効率化に成功―電力制御システムの飛躍的高効率・低コスト化に新たな道

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の筒井一生教授らは、シリコンによる電力制御用の絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ(IGBT)をスケーリング(微細化)することで、コレクタ-エミッタ間飽和電圧(Vce(sat))を従来の約70%に、オン抵抗を約50%に低減することに成功した。

スケーリングには素子寸法の「3次元的微細化」という新スキームを用いた。性能向上はオン動作時の単位面積あたりの電流密度を高めることで実現した。現在、主流のシリコン(Si)-IGBTのスケーリングによる性能向上が確認でき、市場のさらなる拡大とともに、電力制御システムの高効率・低価格化につながる技術として、省エネルギー社会への貢献が期待される。

この研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「新世代Si-IGBTと応用基本技術の研究開発」(代表:平本俊郎東京大学教授)で行われた。研究成果は12月6日に米サンフランシスコで開かれる国際会議International Electron Devices Meeting(IEDM2016)で、東工大、東大、九州工業大学、明治大学、産業技術総合研究所、東芝、三菱電機の共同研究として発表される。