Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2016.12.28

プレスリリース

混ぜるだけで迅速に水溶液中のたんぱく質凝縮に成功―新たな高濃度たんぱく質材料で医薬品開発に期待―

JST戦略的創造研究推進事業において、東京工業大学 科学技術創成研究院の野島達也特任助教と彌田智一教授らの研究グループは、界面活性剤を加えると、水溶液中のたんぱく質が構造と機能を保ったまま集合する現象(分子集合現象[用語2])を発見し、この新たな現象を利用して、たんぱく質を多く含む液状物質である「たんぱく質凝縮体」の開発に成功しました。

生体高分子であるたんぱく質は、化学反応を触媒する酵素や特定の分子を認識する抗体などさまざまな機能を持つ重要な物質です。産業や医薬に利用するには、高濃度で、かつ変性していないたんぱく質が必要です。しかし、水溶液中に分散しているたんぱく質の濃縮には時間と費用がかかる上、濃縮過程でたんぱく質が変性や凝集してしまい、触媒や抗体機能が失われる問題があります。

本研究グループは、2種類のイオン性界面活性剤を一定の比率で組み合わせてたんぱく質水溶液に加えるという簡便な操作で、たんぱく質が構造と機能を保ったまま集合するという新たな現象とともに、高いたんぱく質含有量の液状物質(たんぱく質凝縮体)が生じることを見いだしました。本技術は構造や機能が異なるさまざまなたんぱく質に利用できます。扱いやすいゲル状態にもできるので、新しいたんぱく質材料として、たんぱく質試薬や医薬品の開発など幅広い応用が期待されます。

本研究成果は、ドイツ化学誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版で近日中に掲載されます。

本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。