Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2017.02.09

プレスリリース

室温で発光する円偏光スピンLEDの創製に成功―多分野への応用が期待される光源の登場―

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の西沢望特任助教、宗片比呂夫教授らは、室温で純粋な円偏光を発するスピン発光ダイオード(スピンLED)を世界に先駆けて創製した。

この新たなスピンLEDは、電流が小さいと偏光は起きないが、電流を大きくすると発光強度とともに円偏光の純度が上がる。室温での円偏光発光の壁となっていた半導体と磁性体金属の接合面で起こる非磁性物質の生成反応を抑制したことで達成された。将来的には超小型化や集積化が可能で、これまで考えられなかった、内視鏡に組み込みガン細胞を検出したり、特殊な暗号通信の伝送光に利用するなどへの応用が期待できる。

2017年2月8日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)でオンライン掲載された。