Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2021.02.09

お知らせ

第22回生体医歯工学公開セミナー開催報告

講演概要

層状粘土鉱物や酸化グラフェンなどの無機層状結晶を溶媒中で剥離・分散することで,極めて大きな異方性比(1nm程度の厚さと数μm程度の横サイズ)をもつ「無機ナノシート」が得られる。我々は,溶媒中に分散したナノシートが自発的に配向し,数十から数百nmというメゾスケールの規則構造を形成した「無機ナノシート液晶」を見いだし,基礎・応用両面からさまざまな検討を進めてきた。液晶という観点では,光学異方性や電場応答性など従来の有機分子の液晶と類似の性質を持ちつつ,半導体性や触媒能などの無機材料特有も物性も有することなどが特徴といえる。無機材料として見れば,異色な,ソフトマテリアルへの展開例ともいえる。本講演では,無機ナノシートやコロイド液晶に関連する基礎的内容を概説した後,無機ナノシート液晶の活用により得られる,高性能の無機/高分子コンポジット材料,アクチュエーター用材料,メカノクロミック構造色材料,光触媒材料など,我々の最近の応用研究をご紹介する。また,我々は最近,ボトムアップ法で合成される単分散ナノシートについての研究も進めつつあり,これらについても紹介させて頂く。

  • 日時: 2021年2月4日(木)15:00~17:00(オンライン開催)
  • 講演タイトル: 無機ナノシート液晶とその応用
  • 講演者: 宮元 展義 准教授(福岡工業大学工学部生命環境化学科 物質・エネルギーデバイス研究センター代表)
  • 参加人数: 22名(うち海外2名)