Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2020.11.16

セミナー情報

第133回 フロンティア材料研究所学術講演会 11/19,11/25開催

  • 開催日時: 2020年11月19日(木) 17:15 -19:15
          2020年11月25日 (水) 10:00 -12:00
  • 開催場所: オンライン開催(Zoom)
  • 対象者: 企業・研究者、学生、教職員

プログラム等

11月19日(木)

時間 講演タイトル 講演者
講演概要
17:15 -18:15 トポロジカル物質科学の過去・現在・未来 東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所
准教授    笹 川 崇 男
トポロジカル物質科学は、今世紀に登場した学問・科学技術の新しい領域である。 前半では、絶縁体から始まり、半金属、そして超伝導体へとすそ野を拡げてきた分野の進展(過去・現在)について、発見直後から単結晶を基軸に展開してきた講演者の研究を交えながら紹介する。後半では、トポロジカル量子物質・物性がもつ大きな可能性について話題提供することを通じて、今後の展望・夢(未来)について議論する。
18:15 -19:15 独自の指針とプロセス技術に基づいた半導体・超伝導体研究 東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所
准教授    平 松 秀 典
新機能性材料の研究開発分野では、高性能だけでなく、有害で希少な元素を用いない、低コスト等々、要求が年々厳しくなっている。そういった中で、近年注力してきた半導体と超伝導体に関する研究成果を紹介する。  新半導体として、東工大・大場グループによる網羅的第一原理計算から提案された窒化物の実験による実証と、独自の設計指針から見いだしたp型・n型両方の伝導制御が可能な緑色発光硫化物について述べる。また、最近注目を集めている「半導体中の微量不純物水素」を高感度で検出可能な熱脱離分析装置の開発について紹介する。  超伝導分野では、独自のパルスレーザー堆積法を使って鉄系超伝導体母相をエピタキシャル成長させた後に、高濃度水素ドープと高温超伝導発現に成功した成果を紹介する。

11月25日(水)

時間 講演タイトル 講演者
講演概要
10:00 -11:00 SDGsやSociety 5.0 社会に資する材料・デバイス実装と信頼性技術 大阪大学 産業科学研究所
准教授    菅 原   徹
Society 5.0 (超スマート社会)では、AIやICT技術により行動情報データフローのサイバーフィジカルシステム(CPS)と呼ばれるインフラが、我々に健康で安全・安心な社会生活を提供する。CPSが実現する社会では、電力・通信配線から切り離された数千億~数兆個以上の IoT機器が、我々の生活空間から大量の情報を収集する。これらIoT機器やその電源は、低コストの製造プロセスと高信頼性(耐環境性・安定性)などが求められる。本講演では、材料開発からデバイスへ繋ぐ実装技術と、そのデバイス信頼性を担保する実装材料の研究・開発について、講演者の研究概要と今後の展望を講演する。 
11:00 -12:00 電界効果による物性・機能の創出 東北大学大学院理学研究科
物理学専攻
准教授   下 谷 秀 和
キャリアの符号と濃度は固体物性のキーパラメーターである。その代表的な制御法は化学ドーピングであるが、安定なドーピング濃度が限られていたり、結晶構造を乱したりするという短所がある。私はこれらの問題を回避するため、電場によりキャパシターの原理でキャリアを制御するアプローチをとって研究を行ってきた。本講演では主要なテーマの(1)従来の電界効果トランジスターの80倍のキャリア濃度を可能にした電気二重層トランジスターの開発と電界誘起電子相転移、(2)電界効果により静電的にp-n接合を作り、高電流密度を実現した電流励起有機半導体レーザーの開発について紹介し、今後の展望を述べる。