Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2019.08.26

プレスリリース

ボロフェンに類似するホウ素二次元ナノシートの発見

常圧大気下で簡便に合成できるホウ素原子層物質

東京工業大学 科学技術創成研究院の神戸徹也助教、山元公寿教授らの研究グループは、ボロフェンに類似するホウ素二次元ナノシートを常圧大気下で簡便に合成することに成功した。この構造体では、ホウ素と酸素からなる単原子層がカリウムカチオン層と交互に積層しており、層間に働く結合力が弱いため、ホウ素と酸素の原子層を簡単に取り出せることが分かった。

ボロフェンは、ポストグラフェン材料として近年注目を集めているが、高真空下など特殊な環境下でしか合成できず、実際に利用することは不可能と考えられてきた。本研究で確立した手法では、溶液プロセスによりホウ素原子層物質をきわめて簡便に合成でき、様々な材料への展開が見込める。

本研究は2019年8月2日発行の米国化学会誌の「Journal of the American Chemical Society」オンライン版に掲載された。