Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2019.07.18

プレスリリース

放射線による皮膚への影響を解明

皮膚の防護剤や疾患の治療薬、化粧品の開発などに道

東京工業大学 科学技術創成研究院 先導原子力研究所の島田幹男助教と松本義久准教授、大学院総合理工学研究科の三宅智子大学院生、科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の沖野晃俊准教授らの研究グループは、iPS細胞から皮膚ケラチノサイトを作製し、皮膚における放射線の生体影響を明らかにした。iPS細胞から作製した皮膚ケラチノサイトにおける基礎的な放射線応答を解析した最初の例であり、がんや老化のメカニズム解明だけでなく、放射線治療における皮膚防護剤や皮膚疾患の治療薬、化粧品の開発などにも役立つことから、様々な分野への波及効果が期待される。

生体では常に内因性、外因性のストレスによりデオキシリボ核酸(DNA)損傷が生じているが、それらは生体に備わっているDNA修復機構によって修復される。修復しきれなかった損傷は蓄積し、細胞のがん化、老化につながる。特に皮膚表皮においては、表皮基底層に存在する幹細胞、前駆細胞が放射線による影響を受けやすいとされる。今回の研究はiPS細胞から作製した皮膚ケラチノサイトを用いて幹細胞、前駆細胞などの分化度の違いによる放射線応答の違いを明らかにした。

研究はタカラベルモント株式会社と共同で実施し、研究成果は米国放射線腫瘍学会誌「International Journal of Radiation Oncology Biology Physics」電子版に5月11日に掲載された。

研究グループ