Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2018.09.26

プレスリリース

多元合金ナノ粒子の新たな合成手法を開発

不可能だった5種類を超える元素のハイブリッド化を実現

東京工業大学 科学技術創成研究院の塚本孝政特任助教、山元公寿教授、神戸徹也助教、今岡享稔准教授、および理化学研究所の中尾愛子専任研究員らの研究グループは、極微小なナノ粒子中に多種の金属元素をさまざまな比率・組み合わせで配合できる「アトムハイブリッド法」を開発し、これを利用した5種類あるいは6種類の金属を配合した多元合金ナノ粒子の合成に初めて成功した。

従来の手法では、多元合金ナノ粒子の合成に困難があり、均一な合金化は最大でも3種類までしか達成されていなかった。「アトムハイブリッド法」により合成される物質は、多様な金属元素種に加え、ナノ粒子のサイズと混合比率も考慮すれば非常に多くの組み合わせが考えられ、新しい物質群の創成や新しい分野の開拓につながる。またこの手法を利用することで、将来的には今まで発見されてこなかった新たな機能材料の創出が期待できる。

この研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「山元アトムハイブリッドプロジェクト(山元公寿 研究総括)」で実施された。

2018年9月24日発行の英科学雑誌Nature Publishing Groupの「Nature Communications」オンライン版に掲載された。