Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2018.08.23

プレスリリース

安定かつ高伝導度の単分子ワイヤーを開発

金属錯体の導入で実現、分子エレクトロニクスへ道

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の田中裕也助教、加藤佑弥大学院生(当時)、穐田宗隆教授、元素戦略研究センターの多田朋史准教授、理学院 化学系の藤井慎太郎特任准教授、木口学教授らのグループは、炭素原子を連結した不安定分子「ポリイン(C≡C)n」に金属錯体[用語2]をドーピング(導入)することにより、大気中で安定して高い伝導性を示す新たな単分子ワイヤーの開発に成功した。

この成果は、新たに考案した有機金属錯体合成法と単分子電気伝導度計測ならびに理論計算に基づいて得られた。この研究成果により、分子で電子回路を構築する分子エレクトロニクスの大幅な進展が期待できる。

研究成果は2018年7月2日付けの米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」速報版に掲載され、また表紙(Supplementary Journal Cover)に採用された。