Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2024.03.15

プレスリリース

光アップコンバージョンには中間体の回転が重要だった!

高効率な光エネルギー変換デバイスの実現へ

東京工業大学科学技術創成研究院の伊澤誠一郎准教授、神戸大学分子フォトサイエンス研究センターの岡本翔助手と小堀康博教授、自然科学研究機構分子科学研究所の平本昌弘名誉教授らの研究グループは、近赤外光を高効率に可視光へ変換可能な有機薄膜固体内部における電子スピンのミクロな運動を調べ、中間体として生成する三重項励起子が固体内部の回転拡散運動でスピン状態を変化させて短波長の光を高効率に生じる様子を捉えることに世界で初めて成功しました。今後、高効率光エネルギー変換デバイス開発が進展し、世界的なエネルギー問題解決に貢献するとともに、人体に害のない近赤外光を光アップコンバージョンさせ利用する光線力学的ながん治療や診断など幅広い分野への展開が期待されます。この研究成果は、2024年3月14日午前9時(日本時間)に、米国科学雑誌「The Journal of Physical Chemistry Letters」に掲載されました。