Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2022.01.21

プレスリリース

3℃から108℃まで温度を制御できる大気圧プラズマ装置を開発

皮膚や細胞に熱損傷を与えないプラズマ処理に期待

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の沖野晃俊准教授、東京医療保健大学の松村有里子准教授、岩澤篤郎教授らの研究グループは、温度を精密に制御しながらプラズマを低温・大気圧下で発生させる新規装置を設計・開発した。今回開発した装置は、プラズマ化するガスと装置全体の温度を調整する液体が流れる流路を備えているのが特徴である。装置の構造は数値流体解析を用いて設計し、アルミニウム系材料を用いて3D金属プリンタにより装置製作を行った。さらに、この装置で二酸化炭素、アルゴン、窒素、酸素をはじめ様々なガスでプラズマを生成できること、ならびにプラズマの温度を3~108℃の範囲でコントロールできることを実証した。また、プラズマの温度やガスの種類を変えると、プラズマ中で生成される活性種や殺菌効果が大幅に変わることを明らかにした。

この研究成果により、大気圧プラズマの応用範囲がさらに広がり、プラズマによる殺菌・ウイルス不活化や表面処理効果が向上する事が期待される。

本研究成果は、「Applied Sciences」電子版に2021年12月9日に2報の論文として掲載された。