Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2021.03.04

プレスリリース

曲げた機能性フィルムの表面ひずみ計測法を開発

フレキシブル材料を用いたフォルダブルデバイスやソフトロボットの開発に威力

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の宍戸厚教授と同大学の田口諒大学院生は、東京大学大学院新領域創成科学研究科の竹谷純一教授らとの研究グループにより、機能性フィルムの簡便な表面ひずみ計測法を開発した。光を回折するグレーティングをフィルム表面に貼り付けることにより、フィルムの曲げによる表面ひずみを簡単に定量計測することに成功した。計測法を活用して、設計したフレキシブルフィルムは従来のフィルムよりも60%以上も表面ひずみが小さい。このフィルムによって、曲げても壊れないハードコートフィルムやフレキシブルトランジスタを実現した。

画面が曲がる有機ELスマートフォンなどのフレキシブル電子デバイスは、フィルム上に電子部品やセンサーを積み重ねることで開発される。しかし、デバイス破壊の原因となる表面ひずみを簡便に計測する方法はなかった。今後、曲げることができる折りたたみスマートフォンの開発に弾みがつくと期待される

研究成果はドイツの科学誌「Advanced Materials Interfaces(アドバンスド・マテリアルズ・インターフェイシズ)」オンライン版」に1月25日(現地時間)に掲載され、本誌には3月9日に掲載される。