Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2019.12.16

プレスリリース

サブナノ粒子の新計測法の開発に成功

サブナノ領域の未解明の構造・活性に迫る新技術

東京工業大学 科学技術創成研究院の葛目陽義特任准教授、山元公寿教授らの研究グループは、高感度化したシリカ被覆ナノ粒子増強ラマン分光法(SHINERS)を開発し、新しいナノ材料素材として潜在的な触媒機能を有するものの、これまで観測できずにその特異的な物性評価ができなかった粒子径0.5~1.5 nm(ナノメートル)からなるサブナノ粒子の微弱な分子振動の計測に成功した。

得られた分子振動の結果を理論計算的手法により振動分光シミュレーションすることにより、サブナノ粒子の原子構造や表面組成を明らかにした。さらにサブナノ粒子の構成原子数が減少することによる反応活性の著しい増加の原因を実験的・理論的双方から解明した

この成果は今後、サブナノ領域における新規素材の物性・活性評価法の指針となることが期待される。

この研究は科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「山元アトムハイブリッドプロジェクト(山元公寿研究総括)」で実施した。研究成果は米国東部時間2019年12月13日付の米国科学振興協会(AAAS)の「Science Advances」オンライン版に掲載された。