Institute of Innovative Research, 
Tokyo Institute of Technology.

2019.06.27

プレスリリース

環境振動発電素子の広帯域化に成功

エネルギーハーベスティングへの応用に期待

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の山根大輔助教(兼 科学技術振興機構さきがけ研究者)、東京大学 生産技術研究所の年吉洋教授と遠山幸也大学院生らは、環境振動発電素子の広帯域化に向けた低閾(しきい)値整流昇圧回路を設計し、MEMSと集積回路によるシステムを開発して素子の広帯域化に成功した。環境振動発電素子の利用環境拡大に貢献するとともに、無線IoTセンサー端末などへ向けたエネルギーハーベスティング(環境発電)技術の性能向上につながると期待される。 本研究では、あらゆる環境振動発電素子の広帯域化に向け、環境振動周波数でも動作可能な低閾値整流昇圧回路を設計、その回路を利用した電気機械システムを提案した。さらにMEMSと集積回路の技術を用いてシステムを開発、広帯域化を実証した。従来の広帯域化手法は、特殊な機械構造やその調整回路が必要だったため、素子サイズ増大や素子ごとの専用回路が必要だった。

研究成果はドイツのベルリンで開催される国際会議「Transducers 2019 – The 20th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems(トランスデューサー2019 第20回固体センサー・アクチュエーター・マイクロシステム国際会議)」で6月26日(現地時間)に発表された。