2019.04.17
脳波のような複雑な信号を読み解く新手法
定数パラメータを加えることで脳活動情報の抽出改善
東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の小池康晴教授、吉村奈津江准教授、ルドビコ・ミナティ(Ludovico Minati)特任准教授(兼ポーランド科学アカデミー研究員)、マティア・フラスカ(Mattia Frasca)研究員(兼カターニャ大学)らの研究チームは、脳波のような複雑な信号を分析し、脳活動の特徴を捉えるのに有用な情報の抽出方法を改善する新たな手法を発見した。
その仕組みはシンプルで、異なる条件下の信号の違いを検出するために、これまでの位相だけの手法に加えて、定数パラメータを加えることにより、振幅の違いも利用できるようになるというもの。今回の研究により見出された、特定の行動を規定する脳活動を示す信号の同期を検出する方法は、脳の活動に基づいてコンピュータや他の機械を制御するブレイン・マシン・インタフェースシステムの性能を向上させる可能性がある。
本研究成果は、2019年2月8日(現地時間)に米国の著名な物理系学術雑誌である「Chaos: An Interdisciplinary Journal of Nonlinear Science」に掲載された。