基礎研究機構

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2018.7~2019年度 News

2020-2-21
専門基礎研究塾 細胞科学分野 第5回大隅塾談話会

専門基礎研究塾 細胞科学分野では、第5回大隅塾談話会を開催致しました。
話題: How can we survive?
話題提供: 木村 宏 教授

最初にファシリテータによる海外渡航報告会がおこなわれ、福嶋助教と真木助教よりそれぞれ海外でおこなった活動について発表がありました。
第5回大隅塾談話会福嶋助教第5回大隅塾談話会真木助教
その後、第4回に続いて細胞制御工学研究センターの木村教授にご登壇いただき、前回の談話会でお話しできなかったイギリスでのポスドク時代のこと、そして日本に帰国後いくつもの研究機関を渡り歩き東工大に来られるまでのご経験についてお話しいただきました。特にキャリア形成の岐路においてどのような点で悩み、決断の決め手となったポイントは何だったのかについて、1つ1つエピソードとともにお話くださいました。また海外に出る経験は必ず役に立つということ、そして自分自身を過小評価せず、また慢心もせずにバランスよく生きることが何より大事であるというメッセージは、これまで多くのご経験を積んでこられた木村先生だからこその言葉の重みがあり、今回参加した若手研究者にとって大変刺激になりました。さらにはjob huntingに臨む姿勢と考え方についてもお話しくださり、非常に勉強させていただいた談話会となりました。
その後の交流会には細胞制御工学研究センターの教員やポスドクなど数十名が参加し、実験の相談や留学の話題など様々な意見交換ができました。
第5回大隅塾談話会木村教授第5回大隅塾談話会


2020-1-30
東工大ニュース:オートファジーは凝集体でなく液滴状態のたんぱく質を分解する

専門基礎研究塾 細胞科学分野の山崎 章徳 特任助教の研究内容が、東工大ニュースに掲載されました。

  • ・選択的オートファジーは病原性のたんぱく質を分解することで疾病の発症を抑えていると考えられてきたが、液滴状態や凝集体などいろいろな状態を取るたんぱく質に対し、どの状態を効率的に分解できるのかよく分かっていなかった。
  • ・液滴状態のたんぱく質を効率的に分解する選択的オートファジーの仕組みが明らかになった。
  • ・凝集状態のたんぱく質が原因と考えられている神経変性疾患を予防、治療するためには、たんぱく質を液滴状態に変化させる薬剤の開発が重要であることが分かった。

詳細は、東工大ニュースをご覧ください。


2020-1-24
基礎研究機構 2019年度成果報告会・交流会 開催

最先端科学技術を担う若手研究者を育成するために東京工業大学が設立した基礎研究機構(小山二三夫機構長)の2019年度成果報告会・交流会が、1月24日、東工大すずかけ台キャンパスS8棟レクチャーホールで開催されました。来賓として文部科学省研究振興局から村田善則局長、金子忠利基礎研究推進室長らが出席し、益一哉学長ら本学関係者を合わせて、出席者総数は110名を超える催しとなりました。
基礎研究機構は、本学が世界をリードする最先端研究分野である「細胞科学分野」(大隅良典塾長)と「量子コンピューティング分野」(西森秀稔塾長)の2つの「専門基礎研究塾」と、本学のすべての新任助教が塾生として3ヵ月間研さんする「広域基礎研究塾」(大竹尚登塾長)から構成されます。


成果報告会の会場風景

成果報告会は、小山機構長の挨拶で始まり、次いで益学長から塾生への激励がありました。

  • 益一哉学長

我々が若い頃とは研究環境が大きく異なり、研究に時間を割くことが難しくなっている。本学の経営戦略の1つとして、若手研究者にたくさんの研究時間を与えることができるよう環境を整える。その時間を有効活用して、色々な方々とインタラクションしてコミュニケーションの機会を沢山持って欲しい。我が国の基礎研究を支える人材になるよう、塾生の皆さんには頑張って頂きたい。


挨拶する益学長

来賓の挨拶として文部科学省の村田局長から祝辞を頂きました。

  • 村田善則 文科省研究振興局長

基礎研究機構は、2016年に大隅良典先生のノーベル賞受賞を契機に若手研究者を育成し続けるには何ができるのかを熟考され、新たな課題に挑戦する場として創設されたと聞いている。世界の最先端を突き進む大隅先生と西森秀稔先生が率いる専門基礎研究塾は、若手研究者にとって、非常に恵まれた研究環境だと思う。また、大竹尚登先生が塾長の広域基礎研究塾では、様々な専門分野の研究者がお互い切磋琢磨することで、思いがけないシナジー効果が生まれることが期待される。
「塾」という言葉は、緒方洪庵が開いた「適塾」、適塾を卒業した福沢諭吉が創立した「慶應義塾」、また、吉田松陰が指導した「松下村塾」を想起させる。いずれも卓越した人材を残したことから、東京工業大学の本機構への意気込みが伝わって来る。若手研究者の育成については、政府としても非常に重要な課題と考えており、文部科学省においては2019年度補正予算により「創発的研究支援事業」を新設した。本機構の取り組みが将来のイノベーション創出を担う若手研究人材の輩出に繋がることを祈念している。


挨拶する村田局長

続いて、大隅良典塾長(専門基礎研究塾 細胞科学分野)、西森秀稔塾長(専門基礎研究塾 量子コンピューティング分野)、大竹尚登塾長(広域基礎研究塾)から、それぞれの塾の活動について紹介がありました。

  • 大隅塾長(専門基礎研究塾 細胞科学分野)

現在の日本では、2つのことがまだ十分に理解されていないと感じる。ユニバーシティというのが広く対話・活動することができる環境であるべきということと、研究者が楽しく研究できる環境が重要だということだ。
当専門塾の活動は以下の4つ。来年度も本年度と同様に4つの活動を継続していきたい。

  1. 談話会:シニア教員から若手にメッセージを提供。本年度は5回開催。
  2. コロキウム:国内外の講師を招き、最先端の研究成果を紹介頂く。本年度は11回開催。
  3. 塾生研究費:海外での活動を経済的に支援。
  4. 共同実験室・共同利用機器:共用実験室の整備・拡大。


大隅塾長

  • 西森塾長(専門基礎研究塾 量子コンピューティング分野)

量子アニーリングは、我々の研究室で22年前の学位論文から始まり、北米でのイノベーションを経て、産業化への大きな流れができた。Googleは量子アニーリングの自社マシーンを作成し、徹底的に使い倒して、量子ゲート方式の実装に成功した。
当専門塾では理論が中心で実験機器はない。専門塾の活動は以下の2つ。来年度も活動を継続する。

  1. セミナ-:国内外の企業人も含めた幅広い研究者を招き、基礎から産業応用までの話題を提供頂く。本年度は11回開催。
  2. 塾生研究費:海外での研究成果を報告。本年度は2件。


西森塾長

  • 大竹塾長(広域基礎研究塾)

文部科学省に初めて陳情した時は専門基礎研究塾だけの構想だった。その際、「東工大の若手全員を対象にした塾もあれば面白い」とのご意見を頂いたことから、広域基礎研究塾が生まれた。若手全員を対象としては教育・研究に重大な支障が出るため、新任助教に限定した。本年度は29名の塾生を選抜し、3ヵ月の期間に限定して研究エフォートを上げることにした。広域塾のゴールは「自分のテーマを深く考える」ことをオリエンテーションで徹底し、異分野融合を前提とした自己紹介の「研究分野紹介発表会」、自分の研究から身を引いて社会との関わりを俯瞰する「ワークショップ」、深掘りした研究テーマを発表する場の「研究テーマ設定発表会」をそれぞれ開催した。また、個別面接により、入塾前後での研究エフォートや研究環境をヒアリング調査した。更に、「大隅先生を囲む会」を開催した。大隅先生の半生を伺った後に、ざっくばらんな話を先生と、或いは塾生同士でできる機会は大変好評だった。良い研究テーマが多数輩出されたことを契機に、「新研究挑戦奨励金」を大学から拠出し、広域塾生が応募した。また、塾における事後の塾生アンケート(匿名)では、様々な意見が出た。概ねポジティブな意見だったが、一部ネガティブな意見もあり、いろいろな意見があってよいと捉えている。今後の重要課題は、養成する能力の明確化、長期的視点での予算獲得、他組織との連携。本年度の塾生29名は誇るべき人材であったというのがもっとも伝えたいことである。


大竹塾長

伊能教夫副機構長の挨拶により成果報告会は終了し、その後、別会場で交流会が開催されました。80名近い参加者が和やかな雰囲気の中で、今後の基礎研究機構の運営や本学の将来について意見を交わしました。また、専門基礎研究塾と広域基礎研究塾の全塾生のポスター47件を掲示し、熱心な学術的な討論を繰り広げました。


交流会の会場風景

2

交流会でのポスター発表で議論する参加者


2020-1-24
基礎研究機構広域基礎研究塾主催 若手教員向けセミナー開催

基礎研究機構は、国内外のトップレベルで活躍できる次世代を担う研究者を育成・輩出する活動の一環として、2020年1月24日(金)13~16時に、すずかけ台キャンパスS8棟レクチャーホールにて、「若手教員向けセミナー」を開催しました。ここでは、学内外からお二人の演者をお招きし、本学若手教員の今後の研究活動の糧となる極めて有用なお話を頂く機会を設けました。そのため、広域基礎研究塾の2019年度塾生のみならず、専門基礎研究塾の塾生や、その他本学の若手教員、研究員、大学院生の方々にも聴講の門戸を広げての開催としました。


講演会の風景

  • 知的財産権の基礎 ~特許権を中心に~   林ゆう子 先生

林先生は本学理学部化学科を卒業、大学院総合理工学研究科を修了され、企業研究者や本学教員をご経験の後、本学産学連携推進本部の産学連携コーディネーターとして本学の知的財産権の獲得や産業界への技術移転で長年多大な功績を挙げて来られ、放送大学における知的財産の講師も歴任されております。現在は、本学研究・産学連携本部の特任教授としてご活躍されております。今回は、大学研究者が知っておくべき知的財産権として、特許権と著作権を中心に、各種用語の定義や理解しておくべき重要なポイント等を、実例を踏まえて大変分かり易くご講演頂きました。


林先生の講演

  • 異分野&国際交流のススメ   小泉周 先生

小泉先生は慶應義塾大学医学部を卒業後、同大学医学部生理学教室助手、ハーバード大学医学部留学を経て、自然科学研究機構生理学研究所の准教授になられました。文部科学省学絀調査官、JST科学コミュニケーションフェロー等を歴任された後、自然科学研究機構の特任教授・統括URAとして大学の研究力分析手法の開発や社会インパクトに関する分析等、数々の政府政策部会等でご活躍されており、本学の研究・産学連携本部アドバイザーにもご就任頂いております。今回は、大学の国際化や研究成果、研究者スキルセットに関する考え方や、異分野融合や国際連携に関するご自身のご経験を踏まえたお考えにつき、非常に広範囲な観点からご講演頂きました。


小泉先生の講演

なお、今回の講演会では、講演に集中して頂くため、講演資料を敢えて当日配布せず、参加者は後日ダウンロードできるように致しました。また、終了後に無記名アンケートを実施したところ、参加33名中26名から回答を頂きました。2つのご講演に共通して、9割以上の方から「講演内容の理解が進んだ」、8割以上の方から「他の若手教員にも受講を勧めたい」との回答をそれぞれ得ることができました。来年度は、今回と同種の講演会の開催は勿論のこと、新たなテーマの講演会も企画していきます。


2019-12-12
成果報告会および若手教員向けセミナーのお知らせ

1月24日(金)、すずかけ台キャンパス S8棟レクチャーホールにて、基礎研究機構成果報告会を開催します。また、成果報告会の前には、広域基礎研究塾主催の若手教員向けセミナーも実施します。

  • 13:00-16:00 若手教員向けセミナー
  • 16:30-17:15 成果報告会
  • 17:25-19:30 交流会(塾生によるポスター発表)

詳細はポスターをご確認ください。
ポスターセミナー


2019-12-03
塾生の辞令交付

12月1日付で、専門基礎研究塾 細胞科学分野に新たに塾生1名(伊藤健太郎研究員)が入塾しました。伊藤研究員には、大隅良典塾長と小山二三夫機構長から入塾証が授与されました。
塾生の辞令交付


2019-11-25
広域基礎研究塾 2019年度第2期生 研究テーマ設定発表会

2019年11月25日9時30分~12時30分にすずかけ台キャンパスS2棟第5会議室、11月29日9時30分~12時00分にすずかけ台キャンパスS2棟第6会議室にて、広域基礎研究塾の2019年度2期生(9月~11月対象者)12名と1期生発表会での未発表者2名を加えた合計14名による研究テーマ設定発表会を開催しました。この発表会では、これまでの広域基礎研究塾の活動を通じて得た体験も踏まえ、研究エフォート率を高めた状態で熟慮した自分自身の研究構想について、専門分野以外の研究者にも分かり易く10分間で発表し、10分間で質疑応答する形式を取りました。「研究分野紹介発表会」で聞いた他の塾生の研究との接点から着想を得た内容、「未来社会と自身の研究との繋がりを考えるワークショップ」で共に語った未来社会イメージ実現を起点に据えた内容、「大隅先生を囲む会」で伺った大隅先生のメッセージに端を発する内容等、広域基礎研究塾の活動から得たヒントを発展させた発表が大半を占めました。そのためか、質疑側から出された合計70の質問は、互いに興味を高め合おうとする主旨の発言が殆どであり、また、発表者側の回答も発想の豊かさも相まって非常に面白く、印象深いものとなりました。自分自身の研究スタンスを貫く上で異分野融合や新たに得た発想を積極的に活かして行こうとする強い意気込みを、皆で共有できた発表会であったと思います。今後、それぞれの塾生の研究構想が、各々の専門分野の先輩・同僚との議論を通じて更にブラッシュアップされ、様々な協力者との連携を経て結実することを祈念したいと思います。本発表会の終了後に修了証授与式を執り行いました。なお、今回の発表会をやむを得ず欠席した2期生1名については、来年1月24日に個別の発表会を開催する予定です。

2019年度第2期生 研究テーマ設定発表会(すずかけ台)
2019年度第2期生 研究テーマ設定発表会 (すずかけ台)

2019-11-11
東工大ニュース:“動くDNA”による哺乳類の乳腺進化メカニズムを発見

専門基礎研究塾 細胞科学分野の西原秀典助教の研究内容が、東工大ニュースに掲載されました。

  • ・乳腺形成に関わる遺伝子発現の制御配列の多くが“動くDNA”から生じた
  • ・レトロトランスポゾンが哺乳類の進化過程でエンハンサーの根源配列を増幅
  • ・乳腺の形成機構の進化の解明に向けて飛躍的に前進

詳細は、東工大ニュースをご覧ください。


2019-10-28
専門基礎研究塾 細胞科学分野 第4回大隅塾談話会

専門基礎研究塾 細胞科学分野では、第4回大隅塾談話会を開催致しました。
話題: Once upon a time in the lab
話題提供: 木村 宏 教授

今回、細胞制御工学研究センター木村研究室の木村教授に「Once upon a time in the lab」というタイトルでお話いただきました。木村教授が研究者の道に進むに至った背景、北海道大学での学生時代からオックスフォード大学でポスドクを経験するまでの、研究者としてのスタート時期について、様々な思いを抱いて歩んでこられた体験談は、機知に富んだ内容で、非常に面白く、大変勉強になりました。研究がうまく進まない時のモチベーションの維持の仕方や、その時々でのdecision makingについては、時代の流れが早くなり、情報過多になってしまいがちな現在の大学院生や若手研究者にとっても、参考にしたい部分がたくさんありました。また、ResultとEffortの評価に対する考え方は、研究室の学生の教育やマネジメントにも反映されていると感じました。今回は時間の都合上お話にならなかった、独立した研究者として任期制のキャリアをどう生き抜くのかについて、木村教授の研究者としての後半の経験談を伺う次の機会が楽しみです。
談話会とその後行われた交流会には、塾生と支援教員に加え、細胞制御工学研究センターの各研究室のスタッフ、学生など50名以上の方が参加し、濃密な意見交換を行うことができました。
第4回大隅塾談話会


2019-10-23
広域基礎研究塾 2019年度第2期生「未来社会を実現するための科学技術を考えるワークショップ」

2019年10月23日(水)13時30分~17時30分に、大岡山キャンパス百年記念館4階にて、広域基礎研究塾の2019年度2期生(9月~11月対象者)への本ワークショップを、本学の未来社会DESIGN機構と基礎研究機構との共催で行いました。本ワークショップでは、塾生個々の研究を俯瞰的に見つめ直す機会を提供し、研究内容と未来社会との繋がりについて新たな気付きを促すことを目的としています。今回は、例示された「未来シナリオ」を基に、未来を実現するためにどんな研究や変化が必要かを考えてもらい、俯瞰力、創造力、他者と協働する力を強める体験をしてもらいました。広域塾ワークショップ

ワークショップは次のように進行しました。渡辺理事・副学長からのご挨拶、広域基礎研究塾の大竹塾長からの本ワークショップの意義のご説明の後、未来社会DESIGN機構の新田URAから具体的な作業の説明がありました。13名の塾生は3つのグループに分かれ、例示された「未来シナリオ」について、「自分自身ならどのような体験をしてみたいか」一人3つの提案を作成し、グループ内で共有しました。それらを分類・議論して、グループテーマ(商品・サービスのイメージ)を1つに絞り込みました。各グループの代表がグループテーマの概要を発表し、質疑応答を通じて全員に共有しました。次いで、各グループ内でテーマの実現に必要な科学技術要素を抽出し、それらの因果関係や時間軸も考慮して表にまとめました。また、実現に必要な社会環境の抽出や実現後の社会への影響等についても議論しました。最後に、各グループの代表がテーマの詳細について発表し、質疑応答・意見交換を行いました。なお、各塾生には、テーマを実現するための具体的な研究提案を作成する事後検討課題が与えられ、1週間後に全員がレポートアップしました。 20190718 20190718 20190718

1期生のワークショップと同様に、ワークショップに参加した塾生は、最初こそ硬い表情を浮かべていましたが、アイディア出しからディスカッションに進むにつれて盛り上がり、ラストの発表時には若手研究者らしく鋭い質疑応答を繰り広げました。そして、ワークショップ終了後の交流会でさらに塾生間の交流を深めました。
広域塾ワークショップ


2019-10-16
広域基礎研究塾 2019年度第2期生 研究分野紹介発表会

2019年10月16日10時~15時に、すずかけ台キャンパスS2棟第5会議室にて、広域基礎研究塾の2019年度2期生13名(9月~11月対象者)中11名による研究分野紹介発表会を開催しました。本発表会は、各塾生が自分自身のこれまでの研究テーマについて専門分野以外の研究者に分かり易く7分間で発表し、12分間で質疑応答する形式を取り、塾生が互いの研究内容を知り、コミュニケーションを深めることを目的としています。異分野交流に特有な課題として、発表者は自分自身の研究における興味やスタンスを専門外の相手に伝えることの難しさやもどかしさをどのように克服するのか、が挙げられます。一方、聴衆には発表者の意図を理解しながら自分の意見を伝えるにはどのように発言すればいいのか、という課題が存在します。ここでは、参加者全員が質問に立ち、合計52件の質疑応答が活発に繰り広げられ、上記課題についての貴重な体験を参加者全員で共有できたと思います。
なお、今回出席できなかった2名の塾生には、11月後半に開催予定の研究テーマ設定報告会にて、研究分野の紹介と研究テーマの設定の両方を発表して頂く予定です。

広域塾研究分野紹介発表会 (すずかけ台)
広域塾研究分野紹介発表会 (すずかけ台)

2019-10-3
東工大ニュース:発生過程の胚での最初の遺伝子発現のきっかけを作る重要なヒストン修飾を発見

専門基礎研究塾 細胞科学分野の佐藤 優子 助教の研究内容が、東工大ニュースに掲載されました。

  • ・発生過程の生きたままの胚で、転写活性化とヒストン修飾の変化を追跡することに成功。
  • ・胚ゲノムからの最初の転写に、ヒストンH3の27番目リシン残基のアセチル化修飾が重要な役割を果たしていることを確認。
    詳細は、東工大ニュースをご覧ください。

2019-9-26,27
広域基礎研究塾 2019年度第2期生オリエンテーション

基礎研究機構広域基礎研究塾では、2019年9月26日にすずかけ台キャンパスS2棟4階第5会議室で、翌27日に大岡山キャンパス西9号館629室で、それぞれ2019年度2期生(第3Q参加者)のオリエンテーションを開催しました。2期生13名の内、8名がすずかけ台で、3名が大岡山でそれぞれ出席し、入塾証が授与されました。なお、オリエンテーションに参加できなかった2名には翌週開催した個別面談で概要を説明し、入塾証が授与されました。オリエンテーションの式次第は以下の通りです。

  • ・広域基礎研究塾スタッフの自己紹介
  • ・アジェンダの説明 (伊能副機構長)
  • ・広域塾の目的と活動内容 (大竹塾長)
  • ・塾生自己紹介
  • ・入塾証授与式 (大竹塾長)
  • ・誓約書の署名について (伊能副機構長)
  • ・発表スライドについて (伊能副機構長)
  • ・研修期間外のイベント
  • ・質疑応答
広域塾目的説明 (すずかけ台)
広域塾目的説明 (すずかけ台)
広域塾目的説明 (大岡山)
広域塾目的説明 (大岡山)

大竹塾長の話:
東工大が皆さんに何を求めて基礎研究塾を設置したのか、なぜ皆さんに入塾してもらったのか、について説明したいと考えています。東工大は指定国立大学法人に指定され、教育・研究・社会貢献の中核大学としての責任を果たしていくことになりました。研究については、ガバナンスを強化し、外部から研究資金を導入し、基礎研究に還元していくことを東工大の基本的な構想としています。また、東工大の強みとして3つの重点分野と3つの戦略分野を設けて取り進めていくことや、社会とのつながりの中で科学技術のファシリテーターとして未来社会デザイン機構を設置することも大切です。これらの構想の一環として、本学は世界の第一線で活躍する基礎研究者を育成するための基礎研究機構を設置しました。
平成26年度の文部科学省の調査では、助教の場合に研究エフォートは6割と言われています。専門基礎研究塾ではこれを9割にするため、人、資金、スペース等のリソースを投じて、基礎研究に没頭できるようにしようとしています。また、広域基礎研究塾でも3カ月間ではありますが、やはり研究エフォートを9割に上げ、今後の研究テーマを真摯に考えてもらいたいと考えています。そのため、広域塾の活動は必要最小限に絞り、皆さんの時間をあまり縛らないこととしました。その一方で、発表会やワークショップなど広域塾のコアとなる活動にはしっかり参加して欲しいと思っています。さらに任意参加のプログラムも種々用意します。本年5月に開催しました基礎研究機構のオープニングセレモニーを日経産業新聞や科学新聞が取り上げてくれました。この3カ月の間が、塾生の皆さんにとって将来の研究テーマを考える貴重な秋になるよう、皆さんを支え、共に楽しく過ごして行きたいと考えています。広域基礎研究塾の塾生としての誇りをもち、研鑽に励んでください。

すずかけ台にて
すずかけ台にて
大岡山にて
大岡山にて


2019-8-6,9
広域基礎研究塾 2019年度第1期生 研究テーマ設定発表会

2019年8月6日13時30分~16時00分に大岡山キャンパス蔵前会館3階手島記念会議室、8月9日10:50~15:30に大岡山キャンパス西9号館719会議室にて、広域基礎研究塾の2019年度1期生(6月~8月対象者)14名による研究テーマ設定発表会を開催しました。この発表会では、これまでの広域基礎研究塾の活動を通じて得た体験も踏まえ、研究エフォート率を高めた状態で熟慮した自分自身の研究構想について、専門分野以外の研究者にも分かり易く10分間で発表し、10分間で質疑応答する形式を取りました。「研究分野紹介発表会」で聞いた他の塾生の研究との接点から着想を得た内容、「未来社会と自身の研究との繋がりを考えるワークショップ」で共に語った未来社会イメージ実現を起点に据えた内容、「大隅先生を囲む会」で伺った大隅先生のメッセージに端を発する内容等、広域基礎研究塾の活動から得たヒントを発展させた発表が大半を占めました。そのためか、質疑側から出された合計65の質問は、互いに興味を高め合おうとする主旨の発言が殆どであり、また、応答側の回答も発想の豊かさも相まって非常に面白く、印象深いものとなりました。自分自身の研究スタンスを貫く上で異分野融合や新たに得た発想を積極的に活かして行こうとする強い意気込みを、皆で共有できた発表会でした。今後、それぞれの塾生の研究構想が、各々の専門分野の先輩・同僚との議論を通じて更にブラッシュアップされ、様々な協力者との連携を経て結実することを祈念します。本発表会の終了後に修了証授与式を執り行い、これが1期生にとって広域基礎研究塾としての最後のイベントとなりました。
研究テーマ設定発表会は、2019年度第2期生(9月~11月対象者)に対しても開催の予定です。
2019年度第1期生 研究テーマ設定発表会 2019年度第1期生 研究テーマ設定発表会


2019-7-31
広域基礎研究塾 2019年度「大隅先生を囲む会」

2019年7月31日16:00~18:00に、広域基礎研究塾では「大隅先生を囲む会」を開催致しました。この会の目的は、世界的に著名な研究者から、ご自身の半生や研究ヒストリー、若手研究者への想い等、普段聞くことが出来ない話題をご提供頂き、聴衆となる若手研究者は、講演や質疑応答の中から自分自身の発想のヒントや研究への活力を得ると共に、キャリアパス構築に役立てることを目指すことにあります。
本年度は、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典栄誉教授をお招きし、ご講演頂きました。本年度採択の塾生29名の内、出張等でやむを得ず不参加の3名を除く26名が参加しました。大隅先生からは、多岐に渡る貴重なメッセージを頂戴しました。塾生は終始強い興味を示しながら大隅先生のお話を拝聴し、質疑応答のセッションでは、塾生からのさまざまな質問に対して大隅先生が一つ一つ丁寧にご回答されていたのが印象に残りました。引き続き開催致しました交流会でも,お開きの時間まで塾生の熱い談義が繰り広げられました。大隅先生は常に塾生に囲まれながら最後まで談笑頂きました。
20190731 20190731

大隅先生からのメッセージのごく一部ではありますが、2つほどご紹介します。
・ 面白い研究課題は世の中に沢山あるが、その中で自分が何をやるのかが最も重要です。どんなに忙しくてもそれを常に暖め続けて欲しいと思います。また、自分が本当に感動できる具体的な研究対象や把握レベルについて、しっかり意識して研究に臨んで下さい。
・ 日本では早く専門家になれというプレッシャーが非常に強く、色々な経験を積む機会が少なくなっています。一方で、海外では多種多様な人生や経験を持つ人々と接する機会が日常的で、そうした人々との対話を通じて自然に訓練を積んでいます。専門用語を使わずに自分の研究を説明できるよう、常に自分自身を訓練し、多種多様な人々との交流に努めて欲しいと思います。
20190731


2019-7-18
広域基礎研究塾 2019年度第1期生 「未来社会と自身の研究との繋がりを考えるワークショップ」

2019年7月18日13時30分~17時30分に、大岡山キャンパス百年記念館4階にて、広域基礎研究塾の2019年度1期生(6月~8月対象者)への本ワークショップを、本学の未来社会DESIGN機構と基礎研究機構との共催で行いました。ここでは、塾生個々の研究を俯瞰的に見つめ直す機会を提供し,研究内容と未来社会との繋がりについて新たな気付きを促すとともに,共同作業で「未来のシナリオ」を作成してもらうことで,俯瞰力,創造力,他者と協働する力を強めることを目的としています。
ワークショップは次のように進行しました。広域基礎研究塾の大竹塾長と未来社会DESIGN機構の高橋グループ長からの説明の後、まずは「極限」、「職業と産業」、「教育と大学」という視点で議論する3グループを設けました。15名の塾生と3名のファシリテータは、それぞれ好きなテーマを扱うグループに参加しました。それぞれのグループでは、過去のワークショップから出てきた数十の未来要素の情報共有とアイデア拡張を行った後、KJ法による未来要素の組織化により1~3件の未来シナリオを作成しました。最後に、各グループから合計6つの未来シナリオの発表があり、それらについて質疑応答・意見交換を行いました。なお、塾生には、作成した未来シナリオを参照し、自身の研究分野が未来社会とどう繋がるのかを俯瞰的に検討する事後検討課題が与えられ、1週間後に全員がレポートアップしました。
ワークショップの内容を当日まで知らされていなかった塾生は、最初こそ硬い表情を浮かべていましたが、いざ実作業が始まると直ぐにエンジン全開となり、自由闊達な議論・意見交換を繰り広げ、ワークショップ終了後の交流会も大変盛況に終始しました。なお、本ワークショップは、2019年度第2期生(9月~11月対象者)に対しても開催の予定です。
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2019-7-1
広域基礎研究塾 2019年度第1期生 研究分野紹介発表会

2019年7月1日 10時~16時30分に、大岡山キャンパス蔵前会館3階 手島記念会議室にて、広域基礎研究塾の2019年度1期生16名(6月~8月対象者)による研究分野紹介発表会を開催しました。ここでは、各塾生が自分自身のこれまでの研究テーマについて専門分野以外の研究者に分かり易く7分間で発表し、12分間で質疑応答する形式を取り、塾生が互いの研究内容を知り、コミュニケーションを深めることを目的としています。異分野交流に特有な課題として、発表者は自分自身の研究における興味やスタンスを専門外の相手に伝えることの難しさやもどかしさをどのように克服するのか、が挙げられます。また、聴衆は発表者の意図を理解しながら自分の意見を伝えるにはどのように発言すればいいのか、という課題も存在します。ここでは、参加者全員が質問に立ち、合計89もの質疑応答が活発に繰り広げられ、上記課題についての貴重な体験を参加者全員で共有できたと思います。研究分野紹介発表会は、2019年度第2期生(9月~11月対象者)に対しても開催の予定です。
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2019-6-27
第3回大隅塾談話会

専門基礎研究塾 細胞科学分野では、以下の談話会を開催致しました。
話題: 焦らず、倦まず、弛まず、諦めず ~人間塞翁が馬~
話題提供: 岩崎 博史教授(塾長代理)

今回、細胞制御工学センター岩崎研究室の岩崎教授に、現在に至るまでの研究ヒストリーを語っていただきました。岩崎教授は大阪大学微生物病研究所・Yale大学・横浜市立大学・東京工業大学で研究を続けられ、その間一貫してUmu・Ruv・DinなどのDNAの複製や修復に関連する因子の働きを調べてこられました。「From Genetics to Dynamics」を合言葉に、分子遺伝学と生化学によってDNA複製・修復の仕組みを丁寧に解き明かす研究スタイルで、この分野を牽引されています。談話会は、大腸菌を用いたDNA複製研究に憧れて研究の世界に入ったことからお話しが始まりました。「勉めて強いる“勉強”ではなく好奇心に従って学び問う“学問”をやりたい」、「かつての上司やライバル研究者への反骨心からひたすら実験に打ち込んだ」、「予想もしない結果に遭遇してもそれを受け入れる覚悟を持ちたい」など、様々な思いを抱いて歩んでこられたとお話しいただきました。第一線の研究者の心の内を飾らない言葉でお聞きすることができ、貴重な時間となりました。
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2019-6-24
広域基礎研究塾 2019年度1期生オリエンテーションを開催しました

基礎研究機構広域基礎研究塾では、2019年6月13日に大岡山キャンパス蔵前会館3階手島記念会議室で、翌14日にすずかけ台キャンパスS2棟1階院長会議室で、それぞれ2019年度1期生(第2Q参加者)のオリエンテーションを開催致しました。1期生16名の内、12名が大岡山、4名がすずかけ台でそれぞれ出席し、全員に入塾証が授与されました。オリエンテーションの式次第は以下の通りです。

  • ・広域基礎研究塾スタッフの自己紹介
  • ・アジェンダの説明 (伊能副機構長)
  • ・広域塾の目的と活動内容 (大竹塾長)
  • ・塾生自己紹介
  • ・入塾証授与式 (大竹塾長)
  • ・誓約書の署名について (伊能副機構長)
  • ・発表スライドについて (伊能副機構長)
  • ・研修期間外のイベント
  • ・質疑応答

20190624
アジェンダ説明 (大岡山)

大竹塾長の話
東工大が皆さんに何を求めて基礎研究塾を設置したのか、なぜ皆さんに入塾してもらったのか、について説明したいと考えています。東工大は指定国立大学法人に指定され、教育・研究・社会貢献の中核大学としての責任を果たしていくことになりました。研究については、ガバナンスを強化し、外部から研究資金を導入し、基礎研究に還元していくのが東工大の基本的な構想としています。また、東工大の強みとして3つの重点分野と3つの戦略分野を設けて取り進めていくことや、社会とのつながりの中で科学技術のファシリテーターとして未来社会デザイン機構を設置することも大切です。これらの構想の一環として、本学は世界の第一線で活躍する基礎研究者を育成するための基礎研究機構を設置しました。
 平成26年度の文部科学省の調査では、助教の場合に研究エフォートは6割と言われています。専門基礎研究塾ではこれを9割にするため、人、資金、スペース等のリソースを投じて、基礎研究に没頭できるようにしようとしています。また、広域基礎研究塾でも3カ月間ではありますが、やはり研究エフォートを9割に上げ、今後の研究テーマを真摯に考えてもらいたいと考えています。そのため、広域塾の活動は必要最小限に絞り、皆さんの時間をあまり縛らないこととしました。その一方で、限られた広域塾の活動にはしっかり参加して欲しいと思っています。さらに任意参加のプログラムも種々用意します。2週間程前に、基礎研究機構のオープニングセレモニーが開催され、日経産業新聞や科学新聞が取り上げてくれました。その際、プレスカンファレンスで聞かれたことの一つに、塾の評価をどうするのか?という点がありました。若手研究者育成の観点から、論文数等も継続調査の対象にはしますが、より重要なこととしてチャレンジングな研究に立ち向かう姿勢が必要と考え、異分野への挑戦や異分野融合を形にしていく行動を評価したいと述べました。
 この3カ月の間が、塾生の皆さんにとって将来の研究テーマを考える貴重な秋になるよう、皆さんを支え、共に楽しく過ごして行きたいと考えています。広域基礎研究塾の塾生としての誇りをもち、研鑽に励んでください。

広域塾目的説明 (大岡山)
入塾証授与後の塾生(すずかけ台)

2019-5-27
量子コンピューティング分野 セミナー開催

基礎研究機構 専門基礎塾 量子コンピューティング分野では、(株)東芝研究開発センター主任研究員の後藤隼人氏を招いて、「シミュレーテッド分岐マシン:量子分岐マシンから生まれた組合せ最適化アルゴリズム」と題するセミナーを開催しました。多くのメディアで報道されるなど最近注目を集めている新しい最適化アルゴリズムについて、その発案者から説明を聞けるとあって、企業等からも多数の聴講者が来場し、塾生や企業の参加者から活発な質問が出るなど、大きな盛り上がりを見せました。
20190527


2019-4-22
第2回大隅塾談話会

専門基礎研究塾 細胞科学分野では、以下の談話会を開催致しました。
話題: A life investigating pathways that repair broken chromosomes
話題提供: Jim E. Haber WRHI特任教授

Jim E. Haber博士は、Rosenstiel Basic Medical Sciences Research Centerの教授・ディレクターで、東京工業大学World Research Hub Initiative (WRHI) の特任教授です。分子生物学の黎明期から現在に至るまで、酵母を使った染色体動態・DNA修復などの研究を精力的に進めて来られました。今回、将来PIを目指している細胞制御工学研究センターの若手研究者(助教、研究員等)に向けて、ご自身の研究歴を“系統樹”に見立て、幾度とある分岐点での“decision”の具体例を語って頂きました。「多くの学生や共同研究者を教えることによって、自分が様々なことを教えられた」、「オープンマインドで共同研究を展開してきたことが多くの発見につながった」などの印象的な体験談を提供して頂き、質疑応答では今後の研究に対する抱負もお聞きすることができました。
20190422


2019-4-22
基礎研究機構オープニングセレモニーのお知らせ

5月24日(金)、すずかけ台キャンパス S8棟レクチャーホールにて、基礎研究機構オープニングセレモニーを開催します。
専門基礎研究塾の細胞科学分野と量子コンピューティング分野の講演、塾生によるポスター発表を企画しております。


2019-4-12
西森秀稔塾長がD-Wave Systems,Inc.で講演

専門基礎研究塾 量子コンピューティング分野の西森秀稔塾長が、カナダのバンクーバー郊外にあるD-Wave Systems,Inc.で量子コンピューティングに関する講演を行いました。D-Waveは、1998年の門脇・西森論文で提出された理論に基づいて量子コンピュータを制作・販売しているハイテク企業です。講演内容は、塾生の研究活動にフィードバックされます。


2019-4-4
塾生の辞令交付

基礎研究機構 専門基礎研究塾 量子コンピューティング分野の入塾式を開催しました。 小山二三夫基礎研究機構長から基礎研究機構についての説明があり、西森秀稔塾長から塾生への激励と入塾証の授与が行われました。
左から、小山機構長、西森塾長、塾生:Patrick Koh、坂東優樹、ファシリテータ:高橋和孝特任准教授

2019-4-1
塾生の辞令交付

専門基礎研究塾 細胞科学分野に新たに塾生3名が入塾しました。3名には大隅良典塾長と小山二三夫機構長から入塾証が授与されました。
山崎章徳特任助教、中村毅特任助教、松田隆志特任助教


2019-3-25
センター交流会、第1回 大隅塾談話会を開催

専門基礎研究塾 細胞科学分野では、細胞制御工学研究センターとの共催で、以下の研究発表会・談話会を開催致しました。

センター交流会 演題: Autophagy, muscle cell, and beyond
演者: 藤田尚信 准教授(細胞制御工学研究センター)
第1回 大隅塾談話会 話題: 私の研究歴 -研究の楽しさ-
話題提供: 大隅良典 塾長

2019
“大隅塾談話会”とは、大隅塾の塾生や細胞制御工学研究センターの研究員・学生などが多数集まり、シニアの先生に研究ヒストリーや若手へのメッセージなどの話題を提供して頂き、参加者がカジュアルな雰囲気の中で意見交換を行う試みです。普段聞くことのできない話を聞くことにより、若手が発想のヒントや研究活力を得たり、キャリアパスに生かすことを目的としています。この談話会とは別に、塾生やPI志望の若手研究者などに対象を絞り、シニア研究者を囲んで濃密な意見交換を行う“大隅塾座談会”も企画しています。これらの談話会・座談会はおよそ月1回のペースで開催していく予定です。

2019-3-12
半田哲也が論文(共著)を発表

専門基礎研究塾 細胞科学分野の塾生の半田哲也が「2万8千年前のマンモスの細胞核の動きを確認 太古のDNAで生命現象を再現、古生物科学の新たな扉を開く」に関する論文(共著)を発表しました。本論文は、近畿大学生物理工学部、ならびに近畿大学先端技術総合研究所、ロシア連邦サハ共和国科学アカデミー、東京農業大学、東京工業大学、国立環境研究所らの共同研究の成果です。本研究の成果は英科学誌「Scientific Reports」に掲載されます。

2019-3-1
西原秀典助教がBest Paper賞を受賞

専門基礎研究塾 細胞科学分野の西原秀典助教が、昨年の日本遺伝学会 第90回大会で学会発表を行い、Best Paper賞を受賞しました。
2018


2018-12-11
世界初、単一細胞での遺伝子発現制御解析に成功

東工大ニュースに「世界初、単一細胞での遺伝子発現制御解析に成功」が掲載されました。
九州大学 生体防御医学研究所(大川恭行教授、原田哲仁助教、前原一満助教ら)、東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター(木村宏教授、半田哲也特任助教ら)、東京大学 定量生命科学研究所(胡桃坂仁志教授、有村泰宏特任助教(当時)、白髭克彦教授)の研究グループは、極めて少数の細胞を用いてエピゲノム情報を取得できる「クロマチン挿入標識(Chromatin Integration Labeling: ChIL)」法を開発しました。

2018-11-22
塾生4人が"3R&3C Symposium"において発表

2018年11月12日~16日に行われた"3R&3C Symposium"において基礎研究機構 塾生4人が発表しました。

  1. 坪内英生(助教)
    「Synergistic Activation of Dmc1 by the Sfr1-Swi5 and Meu13-Mcp7 Complexes」
  2. 真木孝尚(特任助教)
    「H3K4 methyltransferase Set1C plays a role in donor preference of mating-type switching in Schizosaccharomyces pombe.」
  3. Argunhan Bilge(特任助教)
    「Rad51 Interaction Analysis Reveals a Functional Interplay Among Recombination Auxiliary Factors」
  4. 半田哲也(特任助教)
    「A chromatin integration labeling method enables epigenomic profiling with lower input」

2018-10-15
基礎研究機構 専門基礎研究塾 細胞科学分野 入塾式

基礎研究機構 専門基礎研究塾 細胞科学分野の入塾式およびセミナーを、10月15日(月)にすずかけ台キャンパスS2棟で開催しました。
小山二三夫基礎研究機構長や大隅良典塾長をはじめ、塾生となる若手研究者、聴講の学生など約100名が参加しました。
入塾式

はじめに、小山基礎研究機構長による挨拶がありました。
「大隅先生が基礎研究の重要性を色々な機会に訴えられてきた結果として、文部科学省の支援により、本年度から基礎研究機構が発足しました。イノベーションはどこから生まれるのか、予測することは難しいものの、若手研究者が基礎研究に没頭する機会を大切に考えるところから本機構が設立されました。本日は大学院生も参加頂いていますが、将来の塾生候補として最後まで参加願います」

引き続き、大竹尚登副研究院長がスライドを使用し、基礎研究機構の説明を行いました。
「平成30年度から33年度の4年間、文部科学省から支援を受けて本機構は発足しました。大学院生の皆さんも、将来は本機構に参加することを目指していただきたい。本日は13名の方々が専門基礎研究塾 細胞科学分野に入塾しますが、来年には西森秀稔教授が塾長となる専門基礎研究塾も発足します。東工大は本年度から指定国立大学法人に指定されましたが、その提案内容の一つとして本機構は言及されています」

基礎研究機構が生まれた背景や機構の概要について説明があった後、大隅塾長から塾生への激励と入塾証の授与が行われました。
「これは研究力の増強に対する東工大が出した一つのやり方と考えていただきたい。若手研究者の活躍を図るのが目的です。大学での厳しい研究環境の中で、多くの資源を投じて頂いたことを肝に銘じてください。若い人たちが伸びやかに研究が出来る環境をつくるために、皆さんにも積極的な関与と協力をお願いします」

入塾式終了後は、基礎研究機構の発足に際して整備したS2棟2階西側のオープンラボを、岩崎博史塾長代理の案内のもと、参加者全員で見学しました。

その後は、「第1回基礎研究機構セミナー」として、細胞制御工学研究センターの木村宏教授から「クロマチンと転写の生細胞イメージング」について、木村研究室の小田研究員から「初期胚発生と核内アクチン」について、合計50分間の講演が行われました。

また、第1回基礎研究機構セミナーの終了後は参加者約100名による懇親会を開催しました。大隅塾長は学生、研究員の分け隔てなく歓談に臨まれ、セミナーともども盛況のうちに幕を閉じました。

2018-07-06

基礎研究機構が設立されました。

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