マイクロフロー合成で0.1秒以内にpHをスイッチ

東京工業大学 生命理工学院の小竹佑磨大学院生(博士後期課程2年)、科学技術創成研究院の中村浩之教授、布施新一郎准教授は、不安定なアミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA)を迅速かつ高収率で合成することに成功した。マイクロフロー合成法を駆使して0.1秒以内に塩基性(アルカリ性)から酸性にpH(水素イオン指数=酸・アルカリの程度)をスイッチする手法により実現した。NCAは医薬品やそのキャリアとして重要なポリペプチドの主要な原料であり、ポリペプチドの利用拡大につながる成果である。

NCAは約100年前に開発されたアミノ酸とホスゲンを強酸性条件下で反応させる手法で現在も生産されている。この手法は副反応を引き起こす点や酸性条件下で不安定なNCAの合成には利用できない点が問題となっている。一方、塩基性条件下では速やかにNCAが得られるものの、生じたNCAが重合するため、その合成は不可能とされてきた。

開発手法はマイクロフロー合成法を駆使した高速のpHスイッチで、速やかに反応を進行させると同時に、NCAの重合を抑止することに成功した。このため、多様なNCAの大量・低コスト供給を可能にする技術として期待される。

研究成果は7月12日に国際的学術誌「Angewandte Chemie International Edition(アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション)」に掲載された。

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化学生命科学研究所
中村・布施研究室