脳の予測機能を利用して、動きたい方向を読み取る新しい技術

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(理事長 中鉢良治、以下「産総研」)とフランス国立科学研究センター(理事長 Antoine Petit、以下「CNRS」)が共同で産総研 情報・人間工学領域(領域長 関口智嗣)に設置したAIST-CNRSロボット工学研究ラボ(研究ラボ長 Abderrahmane Kheddar)Ganesh Gowrishankar CNRS主任研究員、同領域 知能システム研究部門(研究部門長 河井良浩)吉田英一 副研究部門長は、国立大学法人 東京工業大学(学長 益一哉、以下「東工大」)科学技術創成研究院 小池康晴 教授、吉村奈津江 准教授と国立大学法人 大阪大学(総長 西尾章治郎、以下「大阪大」)大学院情報科学研究科 安藤英由樹 准教授と共同で、脳の予測機能を利用し、脳波から高速・高精度に思い描いた運動(運動意図)を読み取るブレーン・コンピューター・インターフェース(BCI)[用語1]技術を考案した。

脳波から運動意図を直接読み取る従来のBCI技術では、精度を高めるための訓練を要したため、使用者の負担が大きかった。今回考案した技術は、運動を行う際に脳が運動を行った後の体の状態(運動結果)を予測する機能を利用している。運動を錯覚させる刺激を与え、運動意図から予測した運動結果と錯覚した運動結果のずれを脳波から読み取り、そのずれから運動意図を精度良く推定できる。前庭電気刺激(GVS)[用語2]により運動を錯覚させて、脳波から左右への運動意図を推定する実験により、100ミリ秒以内の計測で、平均85%以上の精度で運動意図が推定できることが確認できた。訓練が不要で、負担が小さいため、四肢麻痺患者などが車いすなどの外部機器を操作するインターフェースへの適用が期待される。

なお、この技術の詳細は、2018年5月9日に米国科学雑誌Science Advances誌で発表された。

詳しくはicon_site東工大ニュースをご覧ください。

バイオインタフェース研究ユニット リーフレットPDF
小池・吉村研究室