細胞質と葉緑体のリボソーム合成をリンクさせる新規シグナル伝達系を発見

植物の生長制御に新たな知見

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の今村壮輔准教授と田中寛教授らは、原始的な植物である紅藻「シゾン」では、核、葉緑体、ミトコンドリアがそれぞれ持つリボソームRNAの合成が、お互いに連動して調節されていることを発見した。

さらに、葉緑体のリボソームRNA合成は、細胞内シグナル分子ppGppを合成するタンパク質(CmRSH4b)が細胞質から葉緑体へ運搬され、その機能が発揮され調節されていることが明らかになった。

葉緑体は、植物細胞のエネルギー生産の場であり、葉緑体機能・増殖の維持において、リボソームRNA合成は要の反応である。しかし、葉緑体におけるリボソームRNAの合成が、核やミトコンドリアでのリボソームRNA合成とどのようにして連携して調節されているかは謎であった。

被子植物における増殖の調節は非常に複雑で、その全体像の解明は困難だった。原始藻類シゾンの葉緑体におけるリボソームRNA合成の調節や、その調節が核やミトコンドリアでのリボソームRNA合成とどのようにリンクして行われているかを明らかにすることで、植物の基本的な増殖制御を理解できると考えられる。この成果が、葉緑体の増殖を調節する仕組みの確立過程の解明や、穀物増産に向けた基礎的な知見となることが期待される。

本成果は2月14日、英国の科学雑誌「ザ・プラント・ジャーナル(The Plant Journal)」オンライン版に掲載された。

詳しくはicon_site東工大ニュースをご覧ください。

化学生命科学研究所
田中(寛)・今村研究室