新しい不斉源「トポロジカルキラリティ」の機能を解明
―医薬品開発などにも応用可能な優れた不斉源の開発に成功―

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の石割文崇助教(兼・同大学 科学技術創成研究院 助教)、高田十志和教授らの研究グループは、新しい不斉源である「トポロジカルキラリティ」を持つ分子の優れた機能を初めて解明した。トポロジカルキラリティを持つ分子の不斉源としての利用を推進・加速し、不斉分子の選択的合成・認識・分割を達成する優れた機能分子の開発につながると期待される。
同研究グループは、トポロジカルキラリティを持つロタキサンを側鎖に有するポリアセチレンを合成し、その主鎖にトポロジカルキラリティに対応した「一方巻きらせん構造」が誘起されることを見出した。また、より一般的な不斉である「点不斉」と「トポロジカルキラリティ」を組み合わせた系においては、トポロジカルキラリティが主たる不斉源となることも明らかにした。
医薬品などの有機化合物の多くは不斉を持ち、通常鏡像異性体混合物ではなく片方の鏡像異性体のみが使用される。このため、片方の鏡像異性体を選択的に合成・分離・識別するのに有効な不斉源となる分子の開発が求められている。
複数の分子が絡み合ってできた分子マシンとしても知られるロタキサンやカテナンなどのインターロック分子は、構成分子がそれぞれ不斉を持たなくとも、その組み合わせ次第で「トポロジカルキラリティ」と呼ばれる不斉を発現することが知られていたが、これまでトポロジカルキラリティを持つ化合物を不斉源として応用した研究はなかった。
研究成果は2017年10月3日にドイツ科学雑誌「Angewandte Chemie(アンゲヴァンテ・ケミー)International Edition」に掲載された。

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化学生命科学研究所