欲しいものだけを合成する新触媒
―医農薬からバイオマスの高付加価値化まで―

東京工業大学 科学技術創成研究院の原亨和教授、鎌田慶吾准教授、喜多祐介助教らは「ルテニウム-酸化ニオブ複合体触媒」(Ru-Nb2O5)が他の触媒とは異なり、複素環式芳香族化合物を含む様々な芳香族アルデヒド から有用な芳香族アミンだけを合成できることを発見した。この触媒は多様な芳香族アミンを選択的に合成できる。また、糖由来の化合物から強靭かつ耐熱性の高付加価値ポリマー「アラミド」の原料を効率的に製造できることがわかった。
原教授らはRu-Nb2O5が電子を与える力を弱めることができることに着目し、副反応をほぼ完全に防ぐことに成功した。このアプローチは芳香族アミンの製造だけでなく、再生可能なバイオマスの利用に一石を投じると期待される。
医農薬、ゴム、ポリマー、接着剤、染料などの様々な化成品に使われる芳香族アミンは重要な化学品である。しかし、これらアミンを芳香族アルデヒド原料から製造する還元的アミノ化において、従来の触媒は電子を与える力が強く、芳香環の分解、副生物の生成を完全に防ぐことはできなかった。このため、製品の精製に多大なエネルギーが必要となり、コストを押し上げていた。

研究成果はJST ALCAにおいて得られたもので、「米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)」オンライン速報版に7月31日に公開され、正式版は近日中に掲載されます。

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原・鎌田研究室