科学技術分野の文部科学大臣表彰とは、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。 その中で「若手科学者賞」は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者個人に与えられるものです。
このたび、平成29年度の「若手科学者賞」の受賞者が発表され、科学技術創成研究院所属の2人の准教授が表彰を受けることになりました。その方々は以下のとおりです。

今岡享稔 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 准教授
受賞業績: デンドリマー内包金属粒子の原子精度合成とその機能の研究

今岡享稔 准教授

金属を極限まで微小化した、ナノ粒子よりもさらに小さいクラスターと呼ばれる物質は、長らく触媒等の機能材料として注目されてきましたが、所望のサイズのものを自在かつ選択的に得る方法は超真空チャンバー中で行われるピコモルスケールの手法であり、応用展開の目処は全く立っていませんでした。我々は、これを化学的に合成することに初めて成功し、クラスター科学の新しい領域を切り開きつつあります。今後、本研究をさらに発展させ、新しい物質、新概念を通して世の中の役に立つような研究に励んで行きたいと思います。
今回、このような栄誉ある賞を戴くにあたり、長年にわたりご指導賜った本学の山元公寿教授をはじめ、研究室の皆様、共同研究やプロジェクト等でお世話になった学内外の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

化学生命科学研究所
物質理工学院応用化学系


西迫貴志 科学技術創成研究院 来産業技術研究所 准教授
受賞業績: マイクロ流路を用いた液滴および粒子生成に関する研究

西迫貴志 准教授

私は、T字型や十字型のマイクロ流路を用いた、サイズの極めて均一な液滴(エマルション)の生成法を開発し、本手法を応用したヤヌス型、多重型等の複雑な内部構造を有する液滴の精密調製法や、そうした液滴を鋳型としたさまざまな固体微粒子の製造法を開発してまいりました。
 こうした研究成果は新しい研究分野開拓の基礎となった一方、産業界においては次世代DNA分析、単一細胞解析、微粒子生産等、国内外の企業を介した成果の実用化が進んでいます.
 今回、このような栄誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。一連の研究成果は学生時代からこれまで指導、協力して下さった方々あってのことです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。これからもより一層、研究活動を通じた新しい価値の創造と成果の社会実装に向けた取組を精力的に推進していきたいと考えております。今後ともご指導と鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

来産業技術研究所
融合メカノシステム研究コア