混ぜるだけで簡単に有機エレクトロニクス材料を合成
― 新反応により多様なπ共役化合物合成を簡便・低コストで実現 ―

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の庄子良晃助教・福島孝典教授らの研究グループは、典型元素である“ホウ素”があたかも遷移金属のように振る舞う新反応を発見しました。これにより、アセチレン[用語1]誘導体をひとつの反応容器で行う反応(ワンポット反応)で芳香環化[用語2]できることから、様々なπ共役化合物[用語3]を極めて容易に合成できます。今後、有機エレクトロニクス[用語4]材料開発への応用が期待されます。

π共役化合物は、近年盛んに応用開発が行われている有機エレクトロニクスの基盤となる化合物群です。研究グループでは、ホウ素を組み込んだπ共役化合物の合成研究の過程で、ホウ素化合物がアセチレン誘導体に対して連続的に炭素-炭素結合形成反応を引き起こし、最終的にホウ素が脱離することで、純粋な炭化水素骨格からなるπ共役化合物が得られることを見出しました。このような反応パターンは、遷移金属が触媒する結合形成反応ではよく知られていますが、典型元素であるホウ素では初めての例となります。本成果は、幅広いπ共役化合物の新合成手法としてばかりでなく、基礎化学的にも、典型元素の化学のより深い理解へつながると考えられます。

本成果は、2016年9月1日に英国科学雑誌「Nature Communications」(オンライン)に掲載されました。また、本手法で用いるホウ素化合物が、有機合成用試薬として東京化成工業株式会社より販売される予定です。

詳しくはicon_site東工大ニュースをご覧ください。