エピジェネティックマークを生体内で観るための細胞内抗体プローブを開発

東京工業大学 科学技術創成研究院の木村宏教授と佐藤優子研究員を中心とした共同研究グループ(早稲田大学、国立遺伝学研究所、大阪大学、近畿大学、中部大学、かずさDNA研究所、情報通信研究機構などが参加)は、ヒストン蛋白質の特定の翻訳後修飾(ヒストンH4蛋白質の20番目リジンのモノメチル化,H4K20me1)を生体内で可視化する技術の開発に成功した。

細胞内でDNAと結合しているヒストン蛋白質の翻訳後修飾は、遺伝子の働きを制御する重要な役割を果たしている。その中でもH4K20me1は、DNA損傷修復や不活性X染色体のマークとして重要であることが知られていたが、生きた細胞内での修飾の変化を観察する技術はなかった。

今回、H4K20me1を直接検出する細胞内抗体プローブH4K20me1-mintbodyを開発し、生きた細胞や線虫で転写抑制されたX染色体のライブイメージングに成功した。また、抗体プローブの抗原結合領域の結晶構造を明らかにした。抗体は本来細胞外で作られる蛋白質であるため、細胞内では環境の違いにより適切な構造を形成・維持できない場合が多い。H4K20me1-mintbodyの細胞内での機能の成否に関わるアミノ酸残基を同定し、立体構造に与える影響を明らかにした。本研究成果は、細胞機能におけるH4K20me1の意義を調べるツールとして有用であることに加え、さらに細胞内抗体プローブの開発において今後広く役立つことが期待される。

この成果は8月14日に米科学誌Journal of Molecular Biologyオンライン速報に掲載された。

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