中性子捕捉療法のための有望なホウ素薬剤を開発

―マウスのがんで、高い治療効果を確認―

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の中村浩之教授らは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)において、多量のホウ素分子を腫瘍内に簡便に導入する手法「ホウ素クラスター結合マレイミド(MID)」を開発した。MIDがこれまで知られていたタンパク質のシステイン残基のSH基だけでなく、リジン残基にも結合することを見出して実現した。

この発見により、がん集積性タンパク質である血清アルブミンや、鉄輸送タンパク質であり多くのがん細胞でその受容体が高発現しているトランスフェリンに対して、多量のBNCT用ホウ素薬剤を容易に導入できるようになった。

MIDを結合させた血清アルブミンは皮下腫瘍移植マウスにおいて脾臓、肝臓、腎臓などの臓器には低濃度で集積するのに対し、腫瘍内に非常に高濃度で集積することを確かめた。BNCTによる次世代がん治療の発展に貢献すると期待される。本研究成果は、7月12日発行のJournal of Controlled Releaseオンライン版に掲載された。

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中村浩之 教授らが日経産業新聞 第8面 2016年8月4日に掲載されました。
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